ふーしゃんの短歌ワールド
┏☆★☆━━━━━━━━━━━━35号 2003年9月27日 by もひょ ┓
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われわれは作品によってみずからの生を証明したいと思う。□ 宮 柊二 □
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次号は11月初旬予定
ふーしゃん(母)は短歌結社『多磨』の北原白秋に師事。『コスモス短歌会』 故 宮 柊二先生に師事現在にいたる。台北第一高女を経て台北師範卒。小学校教員を数年経験後,軍医であった父との結婚により退職。日本基督教団東京府中教会員。
□■□ 目次 □■□
短歌 *** 新着・厳選10首紹介
俳句 *** 俳句で御免2003-9
添削 *** 奥村晃作短歌教室より
エッセイ*** 母とのつきあい方
ふっくらと 投稿者 ひゃら
・整形の225号室は大腿部骨折の老人ばかりそのなかの母
・ふっくらと心ふくらめ吾がために朝よむ「詩篇」夜よむ「ロマ書」
・外の空気もって人来る新鮮さホームの老人スカート触る
講評 奥村晃作先生
書き込み失礼します。ご参考まで。
・整形の225号室 大腿部骨折の老の中わが母もいます
・心して吾がために読む聖書なり朝には「詩篇」夜には「ロマ書」
ひゃら
有難うございました。
律もととのい、的確な表現になりました。
まさびしく 投稿者 mohyo
・嫋(たを)やかに老ひ母よあれ可惜夜(あたらよ)を夕風うけて月をみあぐる
・母居ます部屋まさびしく音楽もにほいも出ていけ窓開け放つ
・その妻にゆるゆると手を差し伸べて渡る夫も杖をつきをり
・杖を突き片手は妻をかばいつつ渡る夫婦を対向車も待つ
・正確な何かが身につく思ひして奥村晃作短歌教室
・八百首短歌を詠みて其処からがスタートラインと そうかと思ふ
講評 奥村晃作先生
4首、宜しいと思いますが、送りに誤りが見られます。
老ひ母→老い母
にほい→にほひ
かばいつつ→かばひつつ
5首目と6首目、ほんのわずか手を入れさせていただきます。
正確な何かが身につく思ひすも奥村晃作短歌教室
八百首短歌を詠みて其処からがスタートライン そうかと思ふ
mohyo
基本の勉強が不足しています。
ありがとうございました。
俳句で御免2003-9 投稿者 JUN
・桔梗より姿遠のく別れかな
・水溜りぽんと飛び越す秋彼岸
・梨食ふて得心したる空の藍(あを)
・生きるとは気の満ちること乱れ萩
・大切に栗採る毬を踏みつけて
・吉右衛門かつと見得切る秋の宵
・恍惚の齢を生くる老い母の垣間見せたる正気の眼
奥村晃作短歌教室の記録より mohyo
・ これで三日鳴く音夜毎に弱まりてマンションホールのまよいこおろぎ
・ あなたから指差し点呼教えられ火元、戸締りよーしと今も
・ あの人もこの人もそうと名をあげて励ましているありがとうあなた
講評
一首目 続けて3日もこおろぎの音(ね)を聞くことが出来る心のゆとり。生活の豊かさが感じられる良い歌である。
二首目 夫から教えられたとおり今でも指差し確認をつづけている作者。
三首目 これだけでは分かりにくいところもある。一方、分かる人には分かる
歌でもあろう。
作者の持病を励まして○○さんも××さんもと同じ病気を持っている人の名をあげて励ましてくれているあなた(夫)ありがとう。
大和言葉のふっくらとしたやわらかみ、あたたかさが良く生かされている三首の歌。
作者の歌柄の特色といってよかろう。
「母との付き合い方」 mohyo
畳の上で転んだ母はヘルパーさんに泣いてもいいですかというと声を上げて泣いていたという。朝方転んで動けずに弟が来るまでそのままでいたという。大声で呼んでも誰も来ないもどかしさと寂しさで一杯だったのだろう。
少し痛いといっていたがその後妹が救急車で病院に行き骨折と分かった。
すぐ手術ということになったが私は心もとなく思った。妹はこのままでは良くなる見込みはなく母はいつも積極的に生きる人であるから手術をした方が良いと考えていた。弟もそうであった。
その後妹が水を飲ませていた時に上手く飲めないで他の器官に入ってしまい少し騒ぎになった。妹は私のミスでといい、医師も介護者のミスでといわれた。
私はこの程度のミスなら「貴方よくやってくれました。これで酸素を吸わせてもらったら元気百倍!ちょうど良かった。」と病室を出てからいいました。
そして10/15 一時十五分から約二時間の手術が無事終りました。
妹は祈りました。「もし叶うなら、もう一度母の看病を私たちにさせてください。
今までたりなかったところを改めます。そうでなかったらどうか母を苦しめないでお召しください。」
母がよくなったら何処か車で行って見よう。もう少しお互いの介護の時間を増やそ
う。私たちがいなかったからというのはよそう。つきつめると老人ホームに送り込
むことにしかないから。隣のベッドの方は共に暮らしていて骨折なさったんだし。
願いがか叶って私たちは母の介護が出来ることになった。弟妹たちと仲良くつきあう種(たね)にしたい。
あとがき
「この夏から飼っている子亀たちが
冬眠したらどうしようと
ハラハラドキドキの寒すぎる初秋」(ゆ)