ふーしゃんの短歌ワールド
┏☆★☆━━━━━━━━━━━━33号 2003年7月29日 by もひょ ┓
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★☆★☆★ ふーしゃんの短歌ワールド ★☆★☆★
われわれは作品によってみずからの生を証明したいと思う。□ 宮 柊二 □
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次号は8月中旬予定
ふーしゃん(母)は短歌結社『多磨』の北原白秋に師事。『コスモス短歌会』 故 宮 柊二先生に師事現在にいたる。台北第一高女を経て台北師範卒。小学校教員を数年経験後,軍医であった父との結婚により退職。日本基督教団東京府中教会員。
□■□ 目次 □■□
短歌 *** 新着・厳選29首紹介
俳句 *** 俳句で御免2003-7
エッセイ*** はじめましてのごあいさつ
古き芭蕉 投稿者 ふーしゃん
・時満ちてかたきつぼみの桃の花少しゆるびて桃の色見す
・山茶花のけだかき色を守らんと古き芭蕉を寄り添いおきぬ
早馬 投稿者 ひゃら
・体力の落ちきし姑が下痢をして命の綱の温灸(おきゅう)くゆらす
・墨絵にて山路をはしる霊柩車そお掛け姑は日々部屋籠る
・君がいて心頼もしみずからに言い聞かせつつ昼餉を作る
・早馬(はゆま)にて返事が届く田村氏にメールうつため話題をさがす
・米中ロどちらもちがう日本語で考えている世界の平和
幻の若き日 投稿者 まつなお
・若き日に友と入りたる喫茶店「スカラ座」有ればなつかしく見つ
・幻の若き日のわれ走り来て我に寄り添ふ新宿の街に
・青春は痛々しけれ底なしの泥沼の如き恋はもしたり
・皿の音男女の会話聞きながらわが内熱く落ちゆく珈琲
・陽炎のようにゆらゆら歩みゆく若者たちはいやし求めて
・五階まで初めて上がれば世界中の宗教書並ぶ紀伊国屋書店に
・葱は葱茄子は茄子なり歌舞伎町の賑はふ街に過せし青春
・早朝に胸重くして汗垂りぬそのまま動かず過ぎ去るを待つ
娘(こ)に従ひて 投稿者 mohyo
・土手に出て娘(こ)に従ひて歩みおり雨ふる前に柴又目指し
・霧雨は傘を差しても濡れる雨 児にタオルかけ傘かしげゆく
・露天風呂に深く息吐き眼を閉じて肩までつかれば雫音する
平戸の旅 投稿者 秀子
・平戸よりフェリーで渡りし生月に今はブルーの大橋架かる
・佐世保発九十九島の島々を遊覧船は縫ひて巡りぬ
・薄暗き納戸に潜みオラショ誦ふカクレキリシタンの信仰哀し
・生月の海上ホテルの夜は更けて女六人ワインに弾む
・宿泊の目覚めに友の点てくるる抹茶を飲みてホテルを発ちぬ
奥村晃作
旅行詠5首楽しく読ませていただきました。
六月の歌(1) 投稿者 noriさん
・あちこちに黄色なる実が目立つ時季ビワの多きを改めて識る
・紫陽花の雨に彩冴ゆその元にアヒルが一羽路空けず居る
・寺の鐘暮れ五ツ告ぐ外見れば夏至の近付く青空の有り
・土曜日は朝寝をせんと決め込みぬ妻見るドラマ終る頃起く
・襖開け窓を開ければ朝風は優しく吾の頬撫でて行く
・夏帽子半袖シャツに短パンの園児は軽く走りて行きぬ
奥村晃作
嘱目詠また日常詠のお作面白く読ませていただきました。
俳句で御免2003-7 投稿者 JUN
・夾竹桃(きょうちくとう)咲きて狂ほし紅の色
・父の杖替はりの彼(か)の日夏薊(なつあざみ)
・白足袋に男気競ふ夏祭
・青年を迎ふる妻子(つまこ)青時雨(あおしぐれ)
・お喋りも暫し無口のかきごほり
徒然エッセイ「はじめましてのごあいさつ」
始まってしまうと 坂道を転げるように
駆け抜ける夏休み 夏の最後に残る想い出はなんだろう。
こんにちは、ゆりこです。
ふーしゃんの短歌ワールドにあとがきを書かせていただいて1年、気が付けば3人の子どもたちの心模様や子どものいる情景をメインに勝手気ままに書かせていただいて想い出の記録になりました。
昨年漬けた梅干しはちょっとしょっぱくて、めげずに今年こそと祈りながら晴れの日を待っています。
今年は私自身も学生になり、課題と仕事に奮闘しながらmohyoさんのご厚意に甘えて、折々のことを寄せさせていただきます。
あとがき
プール中止の赤旗が 毎日はためく夏休み
暑くなれよと 空を仰ぐ子どもたち
(ゆ)