ふーしゃんの短歌ワールド
┏☆★☆━━━━━━━━━━━━29号 2003年2月25日 by もひょ ┓
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★☆★☆★ ふーしゃんの短歌ワールド ★☆★☆★
われわれは作品によってみずからの生を証明したいと思う。□ 宮 柊二 □
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次号は3月中旬予定
ふーしゃん(母)は短歌結社『多磨』の北原白秋に師事。『コスモス短歌会』 故 宮 柊二先生に師事現在にいたる。台北第一高女を経て台北師範卒。小学校教員を数年経験後,軍医であった父との結婚により退職。日本基督教団東京府中教会員。
帰るとき 投稿者 mohyo
・ベットから『珍しいね』と吾を見る母の家には行けない日々で
・母の頬きれいになりて赤みあり確かなる介護豊子の力
・しゅっしゅっしゅっしゅっしゅ母が畳を歩く音目覚めてトイレに一人行く音
・いつまでもこんな時間はないだろう母の背中をさすりつつおり
・帰るとき母は寂しさこらえるように口にものいれ『またね』といいぬ
・リビングで食事する老婆かわいくて「一人住まい」の静寂描く
・忙しき吾に代わりて行く孫に母は母の子われらを語ると
noriさん
mohyo さん、特に4首目は「グッ」ときましたね。母が入院中に会社帰りに見舞いに寄り、暫し背中や手足をさすって帰った事を思い出しました。その時の歌です。
『背をまるめベッドにポツンと座り居る母の背さすり昔語らう』
その母はもう居ません。
mohyo
noriさんにはいつも励まされます。有難うございます。
臼杵市(大分県) 投稿者 秀子
・紅梅のひっそりと咲く路地裏に「早春賦の館」は佇みており
・薄暗き記念館の中にぽつねんと受付の人(女)書き物をせり
・吉丸一昌記念館は部屋数4つの慎ましき妻の実家と説明のあり
・薄暗き「早春賦の館」は繰り返し「春は名のみの」曲の流るる
・千年の雨に打たれし石仏の姿苔むし山里に立つ
・受付の若き女性はにこやかに緑茶勧めて見送りてくる
noriさん
春は名のみの 風の寒さや
谷の鶯(うぐいす) 歌は思えど
時にあらずと 声も立てず
時にあらずと 声も立てず
この有名な作詞は誰のものか知りませんでした。
また、この歌は学校の音楽の本にはもう無いのでは?
粗歌ですが... 投稿者 noriさん
・月めくり一枚取れて如月に春といふ字も実感の湧く
・(俳句)春といふ字にも実感こもりけり
・「じいちゃん、元気になっら外で遊ぼうね」の孫の言葉にグッとくる午後
・(俳句)春立つやリハビリの人ら活気満つ
・(俳句)天窓に春の日射してリハビリす
・車椅子押されて照れて伏目がち人の居ぬ時傲慢となる
・春立ちて良い日の続く吾が庭に午後ともなれば子等の声立つ
・人の一生とは何か考えても答えの出ないボンクラ頭
・思い切りジャンプをしたる夢を見て脹脛つり声上げ目覚む
・現役を去りて一年過ぎたるも土・日となれば心安らぐ
・(俳句)小夜更けて耳にうるさき春蚊出づ
mohyo
頬をピッシャッと張られたような気分がしました。
私も一日一日を大切にしていきたいです。
思い切りジャンプしては昔のように跳べなくなった私と重なり(この間同窓会でダンスをしたとき)ました。
無題 投稿者 渓水
・吹雪き過ぎ日差し戻りて野鳥(とり)達は餌場に集ひおしゃべり始む
・足痛む我を気遣ひ週末に治療をせんと娘戻り来
出張等でしばらく、留守にしていました。 秀子さんの歌の数(もちろん数だけではないですよ)を見て、少しは追いつこうとあせっています。
あとがき
早春賦
作詞者 吉丸一昌 作曲者 中田 章
インターネットで検索すると、この懐かしい曲をはじめとする唱歌・童謡をパソコンで聴いて楽しむこともできるたまにはプチ大正ロマンに浸ってみるのも良いかも。
(ゆ)