28号 2003/01/31

ふーしゃんの短歌ワールド

┏☆★☆━━━━━━━━━━━━28号 2003年1月31日 by もひょ ┓
https://www.kokoronouta.net/
★☆★☆★ ふーしゃんの短歌ワールド ★☆★☆★
われわれは作品によってみずからの生を証明したいと思う。□ 宮 柊二 □
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次号は2月中旬予定

ふーしゃん(母)は短歌結社『多磨』の北原白秋に師事。『コスモス短歌会』 故 宮 柊二先生に師事現在にいたる。台北第一高女を経て台北師範卒。小学校教員を数年経験後,軍医であった父との結婚により退職。日本基督教団東京府中教会員。

雨              投稿者 mohyo

・わかれ来て娘の気持ち思ひつつ何度も通いて育まんもの
・しっかりと受け止めたかと娘の心思えば痛む胸の奥処の
・『のぞみ』の券見せつつ問えば『こだま』です。
もうこのまんまいくしかないです。
・音もなく雨は降るらしコートより滴り落ちる雨光おり
・斜めより雨は降り来てこの街の家並み寒く憂き思ひあり
・雨つぶが集まりてこの川になり流れゆく川冬枯れうつせり
・振動に揺れつつ車窓を眺めおり雨降ればしぶきを上げてわれ等走りぬ

奥村晃作

音もなく雨は降るらしコートより滴り落ちる雨光おり
《よいと思うが、若干の推敲の余地あり》
斜めより雨は降り来てこの街の家並み寒く憂き思ひあり
《よいと思います》
雨つぶが集まりてこの川になり流れゆく川冬枯れうつせり
《推敲の余地あり》
振動に揺れつつ車窓を眺めおり雨降ればしぶきを上げてわれ等走りぬ
《器に収めるように、言葉を、表現を整える》

mohyo

推敲してみます。ありがとうございます。

・音もなく雨ふり初めてコートより滴り落ちぬ雨光りつつ
・雨粒の数多見えつつゆく川に冬には冬枯れ写りておりぬ
・冬の雨切るごと走ればたちまちに飛沫となりて車窓を打ちぬ

旧友             投稿者 秀子

・引き立ての大根人参持たせむと友(は)洗いつつ吾を待ちおり
・夕時の庭にしゃがみて大根を洗う友の手赤く冷たし

秀子

mohyoさん、久し振りの投稿です。
先日の私の歌に貴重なご指導をいただき、ありがとうございました。
2首目、3首目が好きです。
かさかさと葉の揺れ動くと思いしがメジロの姿ぞ見え隠れする
見え隠れするメジロおりかさかさと山茶花の葉を揺れ動かして
山茶花はメジロのままにかさかさと葉を揺らしおり小春日和に

奥村晃作

一首目。引き立ての大根人参持たせむと洗いつつ友は吾を待ちおり
二首目。宜しいと思います。

秀子

奥村先生、添削していただき、ありがとうございます。
何度も繰り返して読んでみると、違いが何となくわかって来たような・・・。
一度作った自分の歌を推敲するのはとても難しいです。
又よろしくお願い致します。

12月の歌より        投稿者 noriさん

・キリストに縁も所縁も無き家にツリー飾られクリスマスとふ
・独り住む媼の賀状作りやれば再三再四礼を言わるゝ

奥村晃作

一首目。現今の習俗批判の歌。
二首目。述べ方が当たり前すぎる。表現の上で何か工夫が出来ないか?

noriさん

奥村先生、ご指導有難うございます。光栄です。
表現の上で何か工夫が...難しいですが推敲してみます。

奥村先生
二首目、推敲してみましたが...

独り住む媼の賀状作りやれば三つ指揃える礼に恐縮す

奥村晃作

独り住む媼の賀状作りやれば三つ指揃える礼を賜る
独り住む媼の賀状作りやれば三つ指揃える礼返されき
独り住む媼の賀状作りやれば三つ指揃える礼届きたり

noriさん

奥村先生、ご指導有難うございます。
独り住む媼の賀状作りやれば三つ指揃える礼を賜る

はじめまして          投稿者 時彦

初めまして。文学部国文学科に通う21歳の男です(専攻は短歌ではなく教育学ですが!)。これから宜しくお願い致します。それでは早速。

・蝉しぐれ去りゆく夏を追いかけて氷の踊るアイスコーヒー

mohyo

21歳の時わたしは中学生の担任でした。それから学部に編入して高校の教師になりました。今と昔では様子が違いますが・・・。
体育学部体育学科卒です。みなさんヤマハ楽器で研修指導されていたり地方新聞では有名人だったり遠くはカナダだったり国の役人だったり結社の中堅どころだったりいろいろな方が投稿したり見てくださっています。まずたくさん作る事だそうです。秀子さん noriさんなどはすごい勢いです。時彦さんも頑張ってください。

奥村晃作

上の句と下の句とが疎の関係にあり、そのこと自体はよいわけだが、繋がり方が分かりにくい。出来れば、作者の自解を。動的なイメージでの繋がり方は分かるが。

初釜              投稿者 渓水

・茶の席に添へたきものを雪積もる庭に咲く花一輪もなし
・侘助を床に飾りて初釜を開きてをられむ故郷(くに)の師思ふ

mohyo

雪積もるとつ国なれば空に向かう枝の曲がりを茶花とされよ
枝の雪解けるを眺め茶をたてる豊かなるときカナダの初釜
いつかカナダに行ってみたいものです。

渓水

mohyoさん、お歌有難うございます。

奥村晃作

二首目の次の歌よいと思いますが、下の句の表現に若干の不備が見られます。第四句の字余り、五句のいくぶん説明的な述べ方など。
侘助を床に飾りて初釜を開きてをられむ故郷(くに)の師思ふ

俳句で御免2002-1      投稿者 JUN

・初売りの積まれし荷箱傾ぎけり
・現世(うつしよ)に初声発す鴉かな
・ほつれ毛の淡く光るや初化粧
・獅子の舞ふ行人坂へ江戸の風
・獅子舞も囃子もをんな目黒川

あとがき

インフルエンザが我が家にやってきた
予防もできず、なすがままのもどかしさ、健康第一。
(ゆ)