27号 2003/01/25

ふーしゃんの短歌ワールド

┏☆★☆━━━━━━━━━━━━27号 2003年1月25日 by もひょ ┓
http://www.kokoronouta.net/
★☆★☆★ ふーしゃんの短歌ワールド ★☆★☆★
われわれは作品によってみずからの生を証明したいと思う。□ 宮 柊二 □
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次号は1月下旬予定

ふーしゃん(母)は短歌結社『多磨』の北原白秋に師事。『コスモス短歌会』 故 宮 柊二先生に師事現在にいたる。台北第一高女を経て台北師範卒。小学校教員を数年経験後,軍医であった父との結婚により退職。日本基督教団東京府中教会員。

ゆーくい           投稿者 ひゃら

・区画されみどりのあおの布のよう空から降りる宮古低島
・ゆーくいの準備で不寝(ねず)の友利家(ともりけ)に泊めていただく手伝いしつつ
・豚一頭つぶしたばかりの小屋のゆか水びたしにて男らしずか
・ゆーくいは〈幸乞い与える〉祈りとう伊良部喜代子のふるさと西辺
・食用に飼われし山羊が生き延びてさくさくさくさく干草を食む
・山羊の目はしろい貝殻ゆうくれを鳴いては芋のつるをまた食ぶ
・ひと恋しきゆうぐれのきて夜香花のかおり始める山羊小屋のそば

友太郎            投稿者 mohyo

・熟睡も出来ずに過ごす子育てが始まりており名古屋に行かな
・大胆に図太く対処できなくて娘3人心を寄せおり
・ユウタロウ仕事机の引き出しを開けつつ孫の名を呼んでみる
・げっそりと疲れてドアをあけし娘(こ)が甥のかわいさ吾に告げ来る
・限界を超えて眠らぬ夜を過ごし友子を助けて目の下のクマ
・一晩はわたし見るゆえ他の部屋で爆睡せよせよ娘となりて
・もう一晩泊まってあげてよかったと別れの際の友子を言ひぬ
・ユウタロウを明日(あす)見に行くとケイタイの真弓の声が新宿駅より
・弾む声途切れつつ聞く構内のざわめきも歩くスピードにのり

師走             投稿者 秀子

・鬱々とふさぐ心をそのままに人ごみの中吾は浮遊す
・雨後の空に星屑瞬きて師走の夜はしんしんと更く
・小夜更けて満ちたる月の冴え冴えと師走の街を眠りに包む
・夕間近か縦一列に飛ぶ雁の横に一羽のより添いており

noriさん

「横に一羽のより添いており」
良い情景をご覧になりましたね。そして、上手く詠み込んだ素敵な歌だと思います。
体調の悪い仲間をいたわっていたのでしょうか?

mohyo

1首目人込の中って案外便利です。泣きながら歩いても気が付かれないしどんな格好でも大概は噂にもならない。市川駅にはあんなに大勢乗降するのにめったに知人に合わない。

秀子

言葉を持たない生き物に時として感動させられる場面に直面することがあります。

目白             投稿者 noriさん

・チーチーと目白囀る寒き朝寝床を離れ難く聴き入る
・短くも長くも感ずひと年は我侭言える贅沢なりき

noriさん

拙い歌ばかり投稿しましたが、お付き合い頂き有難うございました。
来年もどうぞ宜しくお願い致します。
皆さん、どうぞ、良いお年をお迎え下さいませ。

mohyo

NORIさん上手い歌でなくて良いのです。生きる姿勢ややさしい心根が充分伝わるうたがこのHPの特徴です。次にいろいろな技巧を使えればなおよしという順序です。今年もよろしくお願いいたします。

謹賀新年            投稿者 じょーじ

・年越さむと風呂のタイルを磨きつつなほ磨かなむ我の一生(ひとよ)は
(もっと掃除もしなくては、自分も磨かなくては、と思いました。)
・この春は眼鏡替へなむ去年(こぞ)よりは半歩がほども踏み出して生きむと
(今少し意識して積極的に行動する年にしてみようかと思います。)
・この年に我に会ふべき我の歌と楽しきこととのかず数へおく
(今年できるであろう歌や楽しいことを皮算用。)

じょーじ

明けましておめでとうございます。
皆々様のご多幸をお祈りいたします。
昨年は、私、銀座の勉強会を知りまして、
いろいろ世界が広がり学ぶところがありました。
本年もよろしくお願いします。

mohyo

じょーじさん 本年もよろしくお願いいたします。
井戸端会議に奥村晃作氏の歌を掲載しておきました。
じょーじさん 皆様ごらんください。

よい御年を           投稿者 渓水

・幼子の走り来たりてわずかなる小銭求めん今宵の糧に
・白き浜と蒼き海見て洗い落とす胸につかえし重き思ひを
・夕されば海の向こうに灯のともり帰りの便の飛び行くが見ゆ
・留守の間にうさぎやりすの集ひしか雪の裏庭に足跡残こす
・友多く逝きしこの年思ひつつ残りし日々を静かに数ふ

mohyo

3首目
市川に住んでいると成田にも羽田にも近いせいか旅客機をよくみます。何時も外国に行ってみたいなと思います。夜中の一時にある世界の天気予報を聞いていると何時もパリ・モスクワは曇りとか雨なのは偶然でしょうか。

俳句で御免2002-12      投稿者 JUN

・確かなもの妻の寝息と冬銀河
・冬の星善きことのみを考へやう
・短日や吾が引く陰の断ち切れず
・小春日に苦情の電話受けてをり
・手袋の温み懐かし指人形

mohyo

昼の憩いで大国魂神社の中継を見ました。
「冬の星善きことにみを考えやう」
今年のキーワードはスローワークでしょうね。
人が立ちどまってゆっくり考えようというきっかけは案外経済のピンチが背景にあるように思いますがいかがでしょうか。ピンチはチャンスです。

あとがき

新しい1年がはじまった。
今年も夢多き、幸多い味わい深い一年になりますよう。
(ゆ)