ふーしゃんの短歌ワールド
┏☆★☆━━━━━━━━━━━━26号 2002年12月21日 by もひょ ┓
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★☆★☆★ ふーしゃんの短歌ワールド ★☆★☆★
われわれは作品によってみずからの生を証明したいと思う。□ 宮 柊二 □
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次号は1月上旬予定
ふーしゃん(母)は短歌結社『多磨』の北原白秋に師事。『コスモス短歌会』 故 宮 柊二先生に師事現在にいたる。台北第一高女を経て台北師範卒。小学校教員を数年経験後,軍医であった父との結婚により退職。日本基督教団東京府中教会員。
まよなかである 投稿者 ふーしゃん
・デザートを食べつつ少女ら真夜中に脚の長さを比較するなり
・置時計の秒針こつこつ動くたびするどく光るまよなかである
・マグちゃんと愛猫呼べば木陰よりのっそりいで來(く)なあにと言ふごと
いないさびしさ・気やすさ 投稿者 hyara
・水族の海蛇およぐを水槽のしたより覗くロマンのように
・友達のいないさびしさ恋人のいない気やすさ新潟散策
・音もなくエイが頭上を泳ぎゆくほほえむように口すこし開け
・背泳ぎのラッコにきららの晩夏光ひとの子飽かずそれをみている
mohyo
2首目 姉や妹・弟がいることってつい忘れちゃうけどいるからね。
初孫 投稿者 mohyo
・初孫に会うというより子の産みしみどりごなりと名古屋に向かう
・時満ちて男児出産せりという電話を夫が大声で告ぐ
・真弓 仁子 しづかに祝う朝が来て夕べの雪もとけゆきにけり
・男(おのこ)なればグリークラブに入部する資格だけはと婿の喜び
・母子ともにぎこちなければ看護婦の指導で乳を含ませて昼を
・口端を指でたたけば大き口あけて真顔で乳を吸いおり
・母子ともに幸せあれよみどり児の何歳までか我の命は
・みどり児をみつつ娘の姑が元気でいたいとつぶやくを聞く
・舅さんが娘のお腹とみどり児の夢を見し朝生まれこし孫
・パソコンの写真を見つつ夫が言う友子に似てる婿にも似てる
・眠れない夜を過ごしてマミ 仁子携帯電話で喜びあひぬ
秀子
mohyoさん、お孫さんがお生まれになったのですね、おめでとうございます。mohyoさんのお喜びの様子が目に浮かびます、どのお歌もその喜びが溢れて読ませていただく側も胸が熱くなります。
娘さん、お孫さんの健やかなるお幸せをお祈り申し上げます。
noriさん
mohyoさん、初孫さんのご生誕、おめでとうございます。
名古屋にお住いのご様子、新幹線でアッと言う間です。
これからは何回と無く通われる事でしょうね。
健やかな成長をお祈り申し上げます。
mohyo
秀子さん noriさん ありがとうございます。
本当にうれしいです。
矢沢栄吉コンサート 投稿者 まつなお
・カレー店「ぺルナ」を皆と捜しゆく師走の風吹く九段の街に
・バラードに歌が移れば客席は静かになりぬロックのYAZAWA
・言ってみればぶちかましの歌その奥のデリケートさに温かみあり
・四本の火柱一瞬燃え上がりエレキとドラムの音高まれり
・両サイドの見えにくい客を思ひやり幾度か手を振る矢沢栄吉
・七十歳の老婦人より会ひたしと告げられしこと歌手は語りぬ
・俗に言ふ「追っかけ」をして二十年「永ちゃんちゃんコールをよろしく」と人言ふ
・カリスマ性の言葉厭へどその歌手の情熱と継続を尊ぶわれは
・恒例のタオル投げする一万の群衆と光音響と叫び
・「いい酒を飲んで帰って」理屈抜きの温かい言葉を残して去りぬ
mohyo
まつなおさんもすごく長いファンですね。暮れからお正月にかけて介護の仕事はさらに大変になってくると思います。
どんなことも楽しみに変えて朗らかで明るい まつなおさんですね。
私は風邪をひいてしまいました。仕事の山です。やるっきゃないね。
お互いに!!
背中見送る 投稿者 秀子
・母ほどの年を重ねし老女らのそれぞれ違えど皆母に見ゆ
・それぞれに長き人生歩み来し独居の人らの姿尊し
・燦燦と陽の降りそそぐ広間にて老いと若きと演歌を歌う
・バス降りて三々五々に帰り行く独居の人らの背中見送る
mohyo
一日日帰り温泉の介助をされたのでしょうか。日本人はなかなか血縁の繋がりから開放されないですが秀子さんのように地縁の方を母として一日遊ぶというのは尊いことです。この間里子を殺した話が出ていましたが自分の子のほかに里子として引き取り神様の子として育てているアメリカ人を見て驚いた記憶と私には出来ないと思った若き日のことを思いました。そうか一日温泉なら私も出来そうだな。情報ありがとう。
晩秋 投稿者 noriさん
・指折りて歌をば詠めど歌は出ずただ吾が指の曲がるを見つむ
・小春日に誘われ窓を開け放ち冬日を一杯浴びてまどろむ
mohyo
一首目わたしはNoriさんの感じが実に良く分かります。
二首目今日は雪が降っているので特に小春日和が心に響く温かさとして伝わります。ところで小春日和って冬至前の11月下旬から12月初旬にかけての温かい日和のことですね。
そんなときにまどろむなんてうらやましいです。
お久しぶりです。 投稿者 露壜
・朝焼けの空地に育った霜柱勇んでつぶした日々懐かしく
mohyo
お元気で何よりでした。
霜柱はもう何年も見たことがありません。
創部五十周年 2 投稿者 史人
・バンク下りゴール目差してダッシュするその瞬間(とき)夢にいまも顕(あらわ)る
・大統領后姉に持つ君早世の悲しき報せけふも忘れず(亡き友を偲ぶ)
・双輪を漕ぎて鍛えし吾が下肢は異国の果てまでわが身を運ぶ
mohyo
2首目デビ夫人の弟さんのことですか。
3首目外国めぐりのツーリストとして活躍されていましたね。
無題 投稿者 じょうじ
・うちに「火」を抱ふる謂(いい)を窺へばまず野火ならむと思はする「秋」
・枝ほどの根より集めてこれ成せしと柿の実高く掲げし老樹
mohyo
1首目への返歌
ひたぶるに憧れしものは遙かにて春の野を焼く朱の炎かも
(これは20台前半の頃の歌です。)
2首目
木守りとならむと照る柿の栄(は)えですね。良い歌です。
柿の実を見ていると遙かに高く秋の空が広がっています。
侘しそう 投稿者 渓水
・雪降る日餌を求めて集ひ来る 野鳥の羽も寒さに震ふ
・過労死のニュース見るたび思ひ出す 親しき友を失ひし日
mohyo
2首目 新聞記事や時事問題を扱う時には自分だけの体験、その人独自の体験を出していかないと力ある歌にならないといわれます。
過労死をした友人を思い出された。(でよいのでしょうか。)その友人のどんな死に方か具体的な方が心に届くと思います。一般論で終わっては歌の形式ではあるが歌でない観念的な歌(私がよく言われる注意です。)ひゃらさんは上の句の力が下の句まで続かないといいます。下の句まで力を継続させるには推敲を重ねる緻密さだそうです。
何時も私が言われている注意を書かせていただきました。友人たちは2首連作にします。
渓水
有難うございます。 2首連作まで気が付きませんでした。 1首では、なかなか、思う事全てを表しきれず、仰せのように、特に最後の部分は、随分考えて、とうとう、えいや、と。
あとがき
子どもの社会はオトナの縮図
ガラス細工のような人間関係
我が子への試練をどこまで見守ればいいのか
(ゆ)