23号 2002/09/15

ふーしゃんの短歌ワールド

┏☆★☆━━━━━━━━━━━23号 2002年9月15日 by もひょ ┓
http://www.kokoronouta.net/
★☆★☆★ ふーしゃんの短歌ワールド ★☆★☆★
われわれは作品によってみずからの生を証明したいと思う。□ 宮 柊二 □
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次号は9月下旬予定

ふーしゃん(母)は短歌結社『多磨』の北原白秋に師事。『コスモス短歌会』 故 宮 柊二先生に師事現在にいたる。台北第一高女を経て台北師範卒。小学校教員を数年経験後,軍医であった父との結婚により退職。日本基督教団東京府中教会員。

無題             投稿者 ふーしゃん

絞り機が大き振動なしし時夫の最期を悲しみ想ふ
紫の絨緞敷ける娘の部屋に遠く来たりぬ夫無し吾は
夫の死に伴ひ入りしそこばくの銭を握りぬ悲しみは湧く

沖縄             投稿者 ひゃら

もう未来見えない日本そのはなのもっと見えない美(ちゅ)らさ沖縄
沖縄の芸能保存のこころざし篤かりきあのころ復帰めざして
旅まくら月を仰いで舞うはずがひのきの床を踏みまよう足
わかき日のわが舞稽古のど渇き飲み残されたコーラも飲みき
怒るときかならず紙をくしゃくしゃに丸めてありし舞の友死ぬ

短歌講評           投稿者 mohyo

奥村氏の短歌講評の掲載をうれしと歌が九州より届く
ホームページでただで学ぶの変ですか何処でも学べるツールとしたい

ひゃら

歌人奥村晃作さんの添削をまなべることは、大変ラッキーなことです。
私も、何回か読み返しました。これは、奥村さんのご好意であり感謝しています。できることなら、もうすこしながく画面にのこして欲しいのですが。

mohyo

今更新をしていないところに作るといいと思います。しかし時間がなくていろいろできません。3月までおまちください。今週は良い提出作品がないので来週に回してくださいといわれています。私もちょっと掲載きついかなと思っていたところです。

入浴介助           投稿者 まつなを

お茶を飲みほっとするねと言ふ我に老いは笑ひてあなたも年ねと
Tシャツにタオル垂らして鳥居さんの入浴介助す 頭 背中と
道行けば垣根に伸びて二つ三つ薄桃色の芙蓉咲き初む

noriさん

noriさんの娘もヘルパーをしていますが、毎日何か新たな出会い、発見があって生き甲斐を持って働いています。まつなをさんもご苦労様です。
一首目は良い歌ですね、ホッとします。

旅の宿から           投稿者 秀子

教職を去りて馴染まぬ畑守る友より便り旅の宿から
枯ればみし夏の草花群るる中女郎花の黄鮮やかなりし
まだ暑き晩夏の夕べ空高く茜に染まるうろこ雲浮く

秀子

9月はすでに秋、暦の上では晩夏は陰暦6月、初秋は陰暦7月とあります。
9月とはいえ、この暑さなので晩夏としたのですが歌としてやはり無理でしょうか?

mohyo

何かを証明する論文ではないし、フィクションもありだと思います。たとえば九州とか大分なら嘘ではないけれど語呂合わせのために佐賀とするのもありのようです。
恋愛場面のような歌だって現実には何もないことがあるようです。たとえば お題短歌のように 恋しい という題であればいろんな場面を想定して作っているようです。
しかしどこかにその人らしさがない歌は人の心を打たないと思います。だから秀子さんの作家姿勢はとても好きです。
小説ならいいと思うのになぜ短歌のフィクションを嫌いなのか自分でも分かりません。答えになっていないのでどなたかお願いします。

秋を実感            投稿者 noriさん

ネッ友が送りくれたる絵手紙にとうもろこしの実は溢れたり
「最近日が入るわね」と妻が云いカーテン引きて秋を実感す

mohyo

「ネッ友」ですか新しい言葉ですね。
はじめ  ね!友がおくりくれたると呼んでしまいました。そういえばこの一月少々若者と話していない。
携帯電話→ケイタイと短歌の中で歌うようになっているようですが「ネッ友」はもう公認ですか。

noriさん

「ネッ友」は未公認用語でしょう。noriさんが考えました。投稿を躊躇しましたが・・・やはり短歌は真面目な用語でないとダメですね。

mohyo

造語もありだと思うのでどなたかわかりませんか。また最近舞台で自分で声を出して詠む歌会もあります。そのときにわかるような語になっていればいいと思います。
「ネッ友」は 二子玉川園をニコタマ 三軒茶屋をサンチャというのに通じます。しかし 100年後にはわかりにくくなっているかもしれません。

〈削除〉キー          投稿者 麦生

茂る藻に見え隠れする金魚おり市場入口セメントの池
思い出す刹那ウギャと叫びつつああ、〈削除)キーで消したきあのこと

mohyo

彼女は中年のおしゃれ上手な女性です。
「短歌研究」新人賞佳作で5首ありましたので(彼女からコピーもらいました。)掲載します。

観覧車ひと巡りする間だけつくづく淡い春の密会
蛍光灯ジジッと鳴って沈黙にほんのかすかなひびがはいった
シャツごしの肩甲骨のかたちさえそらでなぞれるつくづくと秋
リストラで去り行く人へ言葉なく縁すれすれまでビールを注ぐ
濃き影をずさりずさりと引きずりて修験者の行く熊野古道を

あとがき

15日はなんの日?
???…咄嗟には答えられない休み慣れてしまった私たち。
今月のカレンダーはやけに赤いわね。。。
(ゆ)