ふーしゃんの短歌ワールド

┏☆★☆━━━━━━━━━━━２０号 2002年７月２６日 by もひょ ┓
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★☆★☆★　ふーしゃんの短歌ワールド　★☆★☆★
われわれは作品によってみずからの生を証明したいと思う。□ 宮柊二 □
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次号は８月上旬予定

ふーしゃん（母）は短歌結社『多磨』の北原白秋に師事。『コスモス短歌会』故宮柊二先生に師事現在にいたる。台北第一高女を経て台北師範卒。小学校教員を数年経験後，軍医であった父との結婚により退職。日本基督教団東京府中教会員。

露草　　　　　　　　　　　　　投稿者　ひゃら

草色にひかる蛍がとぶ空をこの夏見たし老い母を連れ
哀しくてやせし背中をさすりしを母は喜ぶ露草の道
ハンカチを母は離さじ口もとの左端より露こぼれると

秀子

三首とも哀しい歌です。
老いた母とその母に連れ添う娘、私もその幸せを味わいたかったと思ってきましたが、今朝はその淋しさ、哀しさがよくわかります。
このお歌のすごさなのだと思います。

直感す　　　　　　　　　　　　投稿者　ｍｏｈｙｏ

直感す3歳のわれ台北の人力車にはもう乗れないと
ざんざんと屋根うつ雨に目覚むれば台湾の記憶雨の弔い

紅型　　　　　　　　　　　　投稿者まつなお

この夏に琉球舞踊を踊らんと衣装持ち来し姉と語りぬ
前髪を上げて俄かに着せらるる沖縄紅型違和感ののあり
お団子のヘアピースをそっと載せ髪型佳きかな沖縄に染む
純粋な沖縄の血を受け継ぎて紅型を着ればほのかに嬉し
庭に出てポーズを取れと姉言へば紅型姿の我はその気に

秀子

姉妹とはなんといいものでしょう！
姉妹のいない私には味わう事の出来ないことばかり・・・。
優しさがそこかしこにあふれています。

ｍｏｈｙｏ

2人の妹はとてもひどい目に会ったり苦労して来ていて現在があります。だからとても優しいです。

日々是好日　　　　　　　　　　　　投稿者　秀子

雨上がり薄日射す朝聞こえ来るまだ初々し蝉の鳴き声　（数日前）
昨日の台風去りし今朝の陽の常より眩し活気みち充ち
強風に横なぎされし野ボタンの蕾数多が重く揺れおり
過ぎ去りし台風の余波治まらず激しく打ちつく風鈴の音
昨日まで思いもよらぬ今日がある日々是好日と明日に繋がん

ｍｏｈｙｏ

今雨が降っています。それほど風はありません。これから来るらしいです。台風。秀子さん地方は台風一過のいい天気なんですね。青空ってどうして心がウキウキしてくるんでしょうか。

ｎｏｒｉさん

第一首と五首、特に逸品と思う。
特に第五首は意欲的に生きる秀子さんの気力を感じます。
見習いたい・・・

月見草　　　　　　　　　　　　　　投稿者ｎｏｒｉさん

裏山に宵待ち草は咲き初めし蚊を追いつゝも暫し眺むる
梅雨空に月の姿はあらねどもりんりんとして月見草咲く

秀子

月見草の花がりんりんとして咲く
まさに言いえていると思います。情景が想像できます。清らかな月見草の花は人の心をはっとさせ惹きつけられるものを感じます。
何げなく咲く花のすごさを思います。

巣作り狙われて　　　　　　　　　　投稿者オードリー・テル

葉桜の陰に番（つがい）の鳩のいて三階の吾がベランダ狙ふ
ベランダの掃除しをれば柔らかき鳩の胸毛の塵になじまず

投稿三首　　　　　　　　　　　　　投稿者谷口和夫

商談に登る階段磨かれて吾が本音写されている
再会の君も老いたり皺深き顔に変わらぬ昔の笑顔
わが歩む姿見へきしカーブミラー老いの過程か少し背丸く

車掌の顔　　　　　　　　　　　　　投稿者　博夫

突起物なき側面のはしつこに車掌の顔がひとつ出てゐる

ｍｏｈｙｏ

作者自身も面白がっている認識の歌、気づきの歌です。
的確な描写が歌を良くしていると思います。

ｎｏｒｉさん

いわれてみればその通りですね。
面白いところにお気付きの歌だと思います。

俳句で御免２００２－７　　　　　　投稿者　ＪＵＮ

南国の吾が血が迎へ撃つ大暑
息潜め武蔵野きすげ咲きにけり
あぢさゐの破顔一笑こぬか雨
水泳やタイルの底の過ぎて行く
湖（うみ）の面に万化を映し夏の雲

ｍｏｈｙｏ

4首目タイルの底の過ぎて行く・・・・実感こもっています。
最近底の過ぎていくのが遅くなりました。脚力の衰えですね。車ばかり乗っているから。

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