17号 2002/02/10

ふーしゃんの短歌ワールド

┏☆★☆━━━━━━━━━━━17号 2002年2月10日 by もひょ ┓
★☆★☆★ふーしゃ んの短歌ワールド ★☆★☆★
われわれは作品によってみずからの生を証明したいと思う。□ 宮 柊二 □
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次号は2月下旬予定

>>結局人を救えるのは創作活動だと思う。………もひょ<<

ふーしゃん(母)は短歌結社『多磨』の北原白秋に師事。『コスモス短歌会』 故 宮 柊二先生に師事現在にいたる。台北第一高女を経て台北師範卒。小学校教員を数年経験後,軍医であった父との結婚により退職。日本基督教団東京府中教会員。

ああ冬至梅 ふーしゃん

生きてゆく孤り心よ貨車つつみ天(あめ)の雪片(ゆきひら)流らふみれば
留守の間に時移りしか艶めきて香り漂ふああ冬至梅
白雲の連なり長し若き日の澎湖島(ぼうことう)憶(おも)ひ夫の言ひ出づ
水盤に並べん石を探しつつ川原ゆく夫遅れて遠し
川の面の白銀に光(て)り多摩川の波折る部分が青く顕(た)つなり
夫の鼾高き夜半かな一人生を誤らしめし戦争を憎む

伐られている音 ひゃら

少年がブランコがわりにぶらさがる大樫の木が伐られている音
雑木林あとかたもなく伐られたり白濁の空へ匂う腐葉土
朝の椅子かすか引き寄せさりげなく夫婦(めお)なるわれら〈日常)に入る
ぐわっと開く獅子(しいさあ)の口見て帰る橋の向こうの所沢ゆき
人の世に棲むほかなくて坂道をよたよた歩くカラス親しも

紅梅の花 まつなを

朝茜勢ひ明るむ新妻の姪の姿をベランダに偲ぶ
これからの行く手に幸いあれかしと姪思ひつつキッチンに立つ
来し方を茫々として思ふとき店に買ひたりあおきスミレを
様々に人は逝きたり老人の施設に五年を勤めて来るに
ファックスを送りつつ見ぬ事務室の前に咲き初む紅梅の花を

俳句でごめん! 2002.1 JUN

松風や空に嬉しき奴凧
たをやかに時は流れて初芝居
唐突の熱き言の葉息白し
小豆粥取り分くる手の老いにけり

味噌ラーメン mohyo

わたくし
持ってます。
タコツボを
このマイカーです。
あの寝床です。

判断し決めても揺らぎ弱る我に ピカピカピカピツリーピカピカ
何もかも半端な昼に味噌ラーメン食むことのみを決めて歩みつ
ポケットの小銭集めて味噌ラーメン食べむと街を大股に行く
しみひとつ無き腕伸びて制服の袖口の奥に刺青がある

投稿して頂いた短歌

小さな幸せ 秀子

月一度洗濯物を手土産に息子の帰る小さき幸せ
カレンダーに操りつられこの年もあくせくと過ぐ人のおかしき
人の世の愚かさよそにセキレイの清らかな声冬空を馳す
真白なる一重の椿凛として木枯らしに咲くただひたすらに
老妻逝きて残されし人哀しみの背中に師走の風は冷たき
木枯らしに吹きつけられし水仙のなおも可憐に清らに咲ける
読み止しの本伏せしまま友からの電話に時を忘れ語らう

我が家の明かり 高崎邦彦

「ふるさと」の「いかにいます父母」のみ繰り返しつつ我が家の明かり

休日の新婚家庭 しんたろう

君の顔朝昼晩と七変化寝転びぼーっと見てる幸せ

Re: 休日の新婚家庭 空っ風 – 2002/01/06(Sun) 00:32 No.274

ユーモアがあって今のあなたの幸せな気持ちが伝わってきます。

努力の証 丸山清美

終電の車窓に映る人の顔生きる叫びを闇が飲んでく
この胸にしまえぬほどの悲しみは冬の夜空の星くずとなれ
悲しみを連れて乗ってる観覧車ここだけ時のスローモーション
やみくもに走り続けた青春の傷は努力の証としたし

田中真紀子殿 浦和老人(歳)

大臣を辞めても田中真紀子殿述べよ正義正論を世に
盟友を切り捨ててまで延命の宰相が語る改革は何ぞ
民意抑え利権大事の族議員私の人権なる主張は可笑し
悪代官宛(さなが)らにして善意なる民を見下す議員の振舞い
善悪を示せぬ政治の理論如何に語るや子どもや国際社会に

Re: 田中真樹子殿 浦和老人(歳) – 2002/02/03(Sun) 00:45 No.326

5首目少し変えてみました。
真偽さえ示せぬ議会のからくりを如何に語るや子等や世界に