14号 2001/07/22

ふーしゃんの短歌ワールド

┏☆★☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 14号 2001年7月22日 by もひょ ┓
★☆★☆★ ふーしゃんの短歌ワールド ★☆★☆★
われわれは作品によってみずからの生を証明したいと思う。  □ 宮 柊二 □
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
次号は8月初旬予定

>>結局人を救えるのは創作活動だと思う。……… もひょ<<

ふーしゃん(母)は短歌結社『多磨』の北原白秋に師事。『コスモス短歌会』 故 宮 柊二先生に師事現在にいたる。台北第一高女を経て台北師範卒。小学校教員を数年経験後,軍医であった父との結婚により退職。日本基督教団東京府中教会員。

・ ふーしゃんのうた  -夜半すぎの雨 -

思わざる喜びごとに会ひしのち苺の花に目をしばたたく
むらさきの半ばひらきの木蓮に注ぎをらんか夜半すぎの雨は
濡れ髪を梳きつつ夜のブランコに腰をかけゐつ四月三日逝く
姑への愚痴夫への愚痴を長の子に言いてしまえりああ吾は老ゆ
梅雨空を負ひて咲きゐる蛇の目草黄のかたまりの暑く狂ほし

奥村晃作評

5首ともにいいですね。力量を感じます。

もひょ

ありがとうございます。何かと自信を失っている母にとっても励みになると思います。

■ ひゃらのうた -子鷺のように素足でいたり -

乳児われ布に包まれ台湾を終戦の夏はなれ来しとう
凍てし野のわれの記憶の以久田(いくた)村子鷺のように素足でいたり
なめらかな以久田(いくた)訛りも東京の空に消しつつ東京にすむ

奥村晃作評

3首ともにいいですね。以久田村は何処に在るのですか。

もひょ

京都府綾部市に合併される前の村の名です。

★ まつなおのうた -静かに在りぬ -

今朝咲きし赫き牡丹が柔らかに静かに在りぬ言葉無けれど
ベットよりずり落ちし時額打ち前よりしっかりものを言う母
大太鼓掛け声あがり打ち響く響き響きて祭り始まる
六基でて残る一基の女神輿反対側より姿をば見す
撫肩の如き優しさ女神輿の形見つむる群衆の中

もひょ

3首目ですが、打ちひびく響き響きて の方が 打ち響く響き響きてよりピンとくるような気がしますがいかがですか。

奥村晃作評

mohyoさんのお説に賛同しますが、いずれにせよ、祭り三首はよいですね。

◎JUNの作品 =俳句でごめん=

静かさや泉の底の砂煙
麦茶煮る磨きをかけし古薬缶
六月の雨はじょんがら三味の音

もひょ

昔父が黒くなった薬缶をピカピカにしました。ガスが不具合だったのでそれで湯を沸かしてそのままにしておいてひどく叱られました。同じことをJUNさんがしている。きっとマット君もするかもしれないですね父の父親もしたかもしれないですね。人生って不思議だ。

● 応募館の作品より

丸山清美さんのうた -午前0時の二人の会話ー

変わってく私らしさが怖いから一年前の日記を開く
寄せてくる静かな波の音だけが午前0時の二人の会
ヒトの群れ逃れて夜の星空に心のピント合わせていたい
ワープロの画面に想いを文字にして保存終えたら今日は眠ろう
今日もまたガードレールに寄り掛かる二人の影は友達のまま

奥村晃作評

久しぶりにこのページに参りました。素直に、伸びやかに詠まれていて、おおむね宜しいと思いました。ご期待申しあげます。

歳森史人さんのうた - 映画「マレーナ」 ? -

ひたすらに寡婦恋慕する少年に神与えしは無力感のみ
無垢なればこそ痛む心で少年は大人の噂にひとり逆らう
心痛めなす術も無く少年は転落女の噂に悩む
純粋な心にまさる衝動に駆られて少年夜毎の手淫
ナチの後は米軍兵士とマレーナは生きる手段と娼婦とはなる

もひょ

純粋と無知とは似ていて絶対に違うものだと思うのです。この少年の純粋な心が育つ社会でありたいものです。社会に役立つ子どもを育てようとして子どもの役に立たない社会になっていってしまった現在です。

未開地と言う部落社会は子どもに役立つ社会ではないでしょうか。長くツーリストでいらした作者に何時かお聞きしたいものです。

今回間に合わなかった皆さんごめんなさいね。
パソコンの練習をして歳を取ったらゲートボールとかインターネットでお買い物か孫とメールではなく知的にネットを使うのも楽しいではありませんか。早くパソコンに慣れて投稿して下さい。
又これをお読み下さった皆さま 感想などお寄せ下さい。それも載せていきたいと思います。